中学受験の算数に必要な力は何があるのでしょう。
どんな問題が出るの?
項目を見てみましょう。
旅人算、流水算、通過算、つるかめ算、虫食い算、消去算、和と差(和差算)、過不足算、分配算、集合算、差集め算、倍数算、年齢算、時計算、平均算、相当算、還元算、植木算、方陣算、ニュートン算、仕事算、濃度算(食塩水)、損益算(売買損益)、周期性、数列の規則、カード・サイコロの規則、計算の規則、操作計算、分数計算、計算の工夫、N進法、約数と倍数、魔方陣、場合の数、道順、比例、速さと比、論理と推理、単位換算、帰一算、日暦算、やり取り算、角度、相似、面積、面積比・長さ比、円と扇形、体積、立体の切り口、表面積、展開図、見取り図、投影図、回転体、立体のくりぬき、速さと図とグラフ、点の移動、図形の移動、図形の場合の数、図形の規則性、水そう、てんびん図、面積図、線分図、折り紙、表とグラフ…
算数に必要な力は?
これらの問題に対応できるためには、下記の力が必要になります。
小さいうちから意識しておきたいです。
1.集中力
机に座って考えられる力です。すべての教科に当てはまります。
周りが多少うるさくしても集中できるといいですね。
2.継続 忍耐力
考え続けられる力、コツコツ頑張る力、最後までやり抜く力、です。
勉強を進めていく上では、わからない問題や歯が立たない問題にも出会います。
そんな時でも、先生の解説を聞いたりして、理解するまでその問題から目を背けずに向き合う力です。
すべての教科に当てはまります。
3.計算のスピード
計算のスピードが速いと、考えることに時間を割くことができます。数字を見て答えが出てくるのが理想です。
4.経験や知識 それを使う力
そもそも、知識や経験がないと具体的に考えられません。幅広い知識や経験は宝になります。また、知識や経験があっても、それを使える力も必要です。いい武器を持っていてもそれを使いこなせなければ役に立たないのと同じですね。
5.推理力 仮定する力
この平面は5センチで、この直線は3センチだから、〇〇の公式を使って、この体積が導き出せるのではいか。という、実際の事実や、知識や経験を使って、新しいことや知りたいことを推理したり、仮定する力です。実際の事実をきちんと観察して、それを理解する力と、知識や経験の貯蓄、また、それらをくっつけて考える力が必要になります。
あとでも述べますが、推理するためには、「これがこうだから、こうなります」という順序よく考える力も必要になります。
6 図形や空間、物の形を想像する力(図形がよく動く)
算数はとにかくよく図形が動き、回転し、物体は切られ、点が動きます。笑
しかも、立体なのに平面の用紙上で説明されます。図形も実際に動かしてみることはできません。
つまり、図形や空間、立体、点の関係を、紙の上に書かれた動かない情報の中から、自分の頭に図形や立体を思い描くことができる力(想像力)が必要になります。
7.いろんな方向から物事を見る力
Aさんが歩いた距離を出す時に、いろんな視点から条件を探りませんか?
①Aさんの歩く速さ、②歩いた時間、③ほかの子が歩いた距離や速さ(問題文に出てくればの話です)、などです。
立体の面積を出すときにも、①下から見た面積、②横からみた面積、③線の長さ、④角度、など。どんな立体か想像するために、いろんな角度から使えそうな事実を探っていきますね。
そのように、いろんな角度から物事を見る力があれば、いくつかのヒントを見つけることができるのです。
いろんな方向から物事を見る力は、持っていて悪いことはありません。
8.論理的に考える力 筋道立てて説明する力
推理の欄でも書きましたが、この平面は5センチで、この直線は3センチだから、〇〇の公式を使って、この体積が導き出せるのではいか、などの、「順序よく考える力」が論理的に考える力です。そして、人にわかってもらうためには、順序よく、筋道立てて考えたことを、解答に記載することができる力(説明できる力)も必要になります。
9.読む力読解力
算数は計算問題だけではありません。文章でもたくさん問題が出てきます。
つまり、文章が理解できないといけないのです。
問題文を読んで「何を求められているのか」がわからないと、間違った回答を導いてしまうことにもなります。
要するに、読む力、読解力=国語力が必要になるということです。
その他の注意事項として、算数では、算数用語やよく使われる言い回しもありますので、抑えておくとよいでしょう。
幼少期に何をしておくべきか
1.集中力
おもちゃで遊ぶにしろ、ゲームで遊ぶにしろ、集中しているときに声をかけたり、周りでうるさくしないように心がけてみましょう。
10分だけゲームしていいよとすると、その10分は目一杯集中しますよね。時間を区切って集中力を高める方法を使うことも効果的です。
短い時間から試してみましょう。はじめから60分頑張ろうは難しいです。小学生1~2年生では10分から初めてみましょう。
勉強が楽しいものと思えれば集中する気持ちになります。勉強を嫌がらない持って行き方を心がけましょう。
2.継続 忍耐力
続けたからできるようになったね、最後までやったからわかるようになったね、という親からの言葉かけが、継続力や忍耐力をつけていく鍵です。
ほんの小さな成長も、継続や忍耐力のおかげです。ほめてあげましょう。
がんばったことが成長につながるんだ、とわかってくるようになれば、あと少しがんばってみようという気持ちが育ってきます。
続けられた、やり遂げられた、という成功体験を子供がもてるようサポートしましょう。
3.計算のスピード
計算のスピードを速くするためには、まず、簡単な問題から一つずつ確実に覚えていくことです。式を見て答えがパッと出てくるまで体に覚えこませます。
それを継続的に体系的にやってくれるのが公文です。毎日宿題が出ますし、子供の進度に合わせて進度を調整してくれます。その子のちょうどにあった問題を適切な分量出してくれます。もちろん自宅で親が教えることもできますが、公文に通えば、家で宿題をする練習にもなりますし、たくさん学校のお友達が通っている場合は競争心が沸きどんどん進度が進みます。学童保育が終わって自宅に帰ってもまだ親が帰ってこない時間の場合など時間の有効活用にもなります。
4.経験や知識 それを使う力
赤ちゃんのうちはなんでも新しいことです。紙をめくること、ボールが跳ねるのを見ること、身近なものが新鮮です。動物園に行ったのに、落ちている葉っぱしか見ていなかったということもありますね。まずは身近なものから覚えていきます。大人にとっては何でもないことでも、見たり触らせたりやらせてあげましょう。
次に本で読んだりお話で聞いたことを実際に経験させてあげましょう。動物園でぞうを見る。本でみた象はこれだったのか、という衝撃が感動になり心に刻み込まれます。絵本に出てきた「ぞう」と本物の「ぞう」が結びついてパッと世界が開けます。これが雲、これは海、これが折り紙、など、実際のものを見せてあげて、それを「言葉」とつなげてあげましょう。
最後に、得た知識や経験を使う練習です。工作でハサミを使った経験があれば、お菓子のパッケージを開けてみてもらいましょう。「前、工作でハサミを使ったからやってみようか」と声をかけます。この経験はここで生かせるよ、ということを、一つずつ教えていきます。すると、そのうちに、自分で新しい経験をするときに、自分の持っている知識や経験の中から選択して使えるようになります。
5.推理力 仮定する力
〇〇したらどうるかな?とクイズを出してみましょう。例えば、机の上にコップがあり、その上を手が通ったとき、手がコップに当たったらどうなるかな?と考えてもらいます。もちろんこぼれますね。お菓子が3つあり、2人で仲良く食べるにはどうしたらいいかな?と考えることも仮定する力を養います。
なぞなぞクイズの本も有効です。ただし、なぜその解答になるのかわからない場合はサポートしてあげないといけません。
知育グッズですとキュボロがその良い例でしょう。
6 図形や空間、物の形を想像する力(図形がよく動く)
折り紙やさいころを組み立てる、三角柱を作ってみたり、実際の紙や立体を触る経験をたくさん積むことです。いろんな角度から平面や立体を動かして手の中であれやこれやと動かす作業をすることです。知育グッズも役に立ちます。積み木、マグフォーマー、マグナスティックなどもよいです。
7.いろんな方向から物事を見る力
どこから見たらどう見えるかなクイズ(円柱は上から見たら〇ですが、真横から見たら□です)をやったり、お母さんはどんな人クイズ(子供からみたらお母さんですが、お父さんからみたら奥さん、おじいちゃんからみたら子供、お隣さんからみたらご近所さん、いつもは優しい、起こった時は怖い、宿題の時は口うるさい、走ったら早い、などたくさん出てきます)も楽しいです。
どこに視点を置くかによって同じものでも違ってみえる、という理解につなげます。
8.論理的に考える力 筋道立てて説明する力
「〇〇したら、〇〇できるね」「〇〇と〇〇をくっつけたから、〇〇になったね」というように、日常生活の中で、積極的に「〇〇~たら」「〇〇~たから」という文章を使っていきます。原因と結果がわかるような文章を使うのです。
例えば「手をパチパチ叩いたら、手が痛いよ」「風が吹いたから、洗濯物が飛んじゃったね」などです。
それができるようになったら、「なんでこうなったのか(こうなるのか)」を説明してもらいましょう。親が「~たら」「~たから」を使っているのを聞いて、次はそれを使ってもらうのです。簡単な因果関係が説明できるようになってきたら、難しい説明にもチャレンジしてもらいましょう。親は、レベルにあった質問をタイミングよく投げかけるのです。(レベルをみたりタイミングを見るのが難しいですよね。)
9.読む力読解力
とにかく小さいうちから絵本を毎日読んであげましょう。しかも本を読むことがいやにならないように、楽しくするのです。
音読して自分の声が自分の耳から入ってくるのも大切です。
音読は小4までは必ずやりましょう。音読すると、実は読めていなかったり意味がわからなかった言葉や文章があることに気づきます。
親もマンガでいいので読書をしましょう。親が本を読んでいる背中を子供はみています。ゆったりと本を読んだり、少しの時間でも本や新聞を読む親の背中を見ています。そして、家庭ぐるみで毎日文章を読む習慣をつけ、毎日文章に触れるようにしましょう。国語の時間だけではなく日常生活を通して文章に触れるようにもっていくのです。
まとめ
中学受験の算数に必要な力はたくさんありました。しかし日常生活でいくらでも養うことができます。親が子供の成長を見ながら、まずはレベルの低いものから始めていきましょう。毎日の日常生活の中で取り入れることが大切です。日常生活に取り入れるためには、親が「子供にどうなってほしい」という目的を明らかにして、それに沿った言葉かけを日々していくことです。賢い親になるとはそういうことです。